九条の大罪1 第1審の1

友人が「九条の大罪」(真鍋昌平 ビッグコミックスピリッツ連載)がおもしろいが,弁護士的にどう思う?と言ってきた。さっそく本を買って読んでみたら、たしかにおもしろい。そして突っ込み所が満載。癖のある弁護士の漫画なんだが、順次コメントをしてみようと思う。ちなみに、真鍋氏は闇金ウシジマ君の著者でもあり、法的な知識もかなりあると思われる。

第1審 片足の値段(加害者が飲酒しスピードを出し、脇見運転して父親死亡、息子が片足を無くす大けが)漫画は事故が発生し、加害者が「九条弁護士」の事務所に行く、という展開。九条弁護士が加害者にいろいろ話をする。

25頁? (九条弁護士)「私がこれから話すことはあくまで独り言。いいですね。」「スマホは証拠の宝庫だ。ここに置いてけ」「警察にスマホ出すように言われたらなくしたと言うように。」「財布」「飲み屋の領収書は財布にあったら全部捨てる」

→明確な証拠隠滅行為であり、弁護士職務基本規定5条違反。弁護士職務基本規定5条には「弁護士は,真実を尊重し、信義の従い、誠実克つ公正に職務を行うものとする。」と規定されている。九条弁護士の上記の行為は同条違反であり、懲戒対象でもある。懲戒になれば業務停止以上?

またそもそも犯罪行為(証拠隠滅、刑法104条)もなるでしょう。まともな弁護士はしないが、そういうことをする弁護士もいるといわざるを得ないなあ。日弁連の懲戒事例を見れば悪い弁護士がいかに多いかがわかる。

27頁? 「衝突地点の具体的な場所、信号の色、速度について供述しない。」「出頭しといて黙秘はさすがに問題があるので、何かにぶつかったことは認めるがその余はお話しできませんというのが無難だ。」「貴方がすることはたった一つだけ。」「余計なことは何もしゃべらない」

→出頭(自首)して、事件の具体的な話しをしないというのは無理じゃないかな。取り調べに弁護士は立ち会えない。昼間の交通事故で,事故の状況および事故前事故後について丁寧に尋問されると、飲酒したというぼろが出る危険がある。まして一人死亡し、子供が大けがという事案では,警察も必死になるだろう。肝心なところの話しもしなければ証拠隠滅のおそれありで、逮捕される危険があるのでは。たしかに出頭した場合は在宅なのかもしれないが。

丁寧に取り調べをされると、飲み屋で飲酒していたと言うことがばれ、それを指南したとして九条弁護士が関わったことがばれる可能性があるのでは?

以上、ざっと話しの前半についてコメントした。

後半のコメントも次回以降行います。

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