弁護士会の法律相談はどうなる?
今、全国レベルで弁護士会の主催する法律相談の件数が減っている。東京は激減。都内のいろいろな法律相談所をどんどん撤収している。
そのため、東京の弁護士会では相当深刻な議論をしている(はず。執行部ではないし、法律相談委員ではないので詳細はわからない)。会員集会などもやった。
関弁連では弁護士偏在問題対策委員を長年やっているので、東京高裁管内(関東及び、新潟、長野、山梨、静岡)の状況、そして日弁連に関係している委員からのまたぎき情報は入る。
それで、入手している情報自体があまり厳密なものではないが、感想を述べたい。
まず、議論については、現状について地域性を捨象した議論がされているように思う。東京都心部、東京周辺部、大阪など大都市部、その他の地域によって、それぞれ事情が異なると思う。
東京都心部でいえば、広告宣伝を旺盛にする事務所の存在、法テラスの存在、自治体との連携の不足、弁護士会の法律相談は原則有料、東京に3つの弁護士会がある事、多数の弁護士による過当競争およびそれぞれのネットの広告宣伝等、が原因ではないか。
いくら良い相談をしても、上のような状況の下では、弁護士会の法律相談は勝てない!東弁の消費者相談でも減っているようだ(あんなに相談者担当者を吟味し、事例検討会を行う、すばらしい相談なのに!)
相談を無料にする?ネット予約出来るようにする?というような対策の提案が全国レベルでされたようだが、主な競合相手はみんな無料だし、弁護士会の相談はネット検索で上位に来ていないはず。
東京で、弁護士会の相談が競合相手に勝てるようにするには莫大な手間暇・費用がかかるのではないか。
新人弁護士の研修という意義を強調される人がいるが、膨大に増え続ける新人に十分な研修を提供出来るようにするために相談を増やすのはものすごく大変だと思う。
発想を変えて、新人の研修では、自治体の法律相談の傍聴とか、法テラス相談の傍聴などができないか検討してみてはどうか?ただ、相談から受任ができるということになるにはハードルは極めて高いが。
あと、地域で弁護士会の支部を作り、支部が自治体と交渉して、支部が自治体の相談について相当関わり直受けを出来るようにするし、トラブルがないように監督するということはあるのではないか。東京で3つの弁護士会がばらばらで対応するのは極めて力が弱いが、地元の弁護士が力をつければ可能だと思う。
ただ、これは東京全体で支部が出来、東京ではこうだという社会的雰囲気が必要。
それから、地方もほっとけば、東京都心部と同じになるのでは、と思う。広告宣伝を旺盛にする事務所は、利益のあるところにはどんどん進出して、市民にとって飛びつきやすい広告宣伝をますますするだろう。法テラスは、取り扱う仕事をどんどん増やし、全国各地で活動するだろう。弁護士はどんどん増えて、地方でもますます増えるだろう。
弁護士会の法律相談