昨日は、関東弁護士会連合会弁護士偏在問題対策委員会の本年度2回目の視察。多分これどこ、と思う人が多いと思う。小田原のやや東、小田急線の新松田あたり。南足柄市、松田町、中井町、大井町、開成町。開成町に神奈川パブリック法律事務所を出た笠間弁護士が事務所を作って、この広い地域に法律事務所が一つできた。
まず開成町で市役所・社協と懇談、次に大井町で、市長・市担当者・社協と懇談、松田町で足柄上商工会と懇談。小田原に移って神奈川県弁護士会と協議会・懇親会。こちらは、関弁連の理事長・副理事長、偏在問題委員会の委員のメンバー、神奈川県弁護士会の会長と役員・担当の会員等大勢。
弁護士の少ないところの実情の調査なのだが、地域の法的なニーズはどうか、弁護士がそこにもっといた方が良いのか、ひまわり基金事務所や法テラスの事務所はどうか、などの見極めの調査という面もある。
いろいろオフレコの話も多かったが、弁護士の参加者の意見は、この地域にはもっと弁護士がいて良いし、やってけるだろうというもの。かなりの法的弱者が援助を受けられずいるのではないか。ただし、自治体側では小田原に近いし、弁護士は地元にはいらないのではという趣旨の意見を言う人もいた。
夜、懇親会。有名なだるま料理店の2階。立派な建物だった。
なお、今年は各地単位会で新人の登録がゼロの会が十いくつあるとのこと。長野もゼロだった。このままでは、地方会が疲弊していく、東京の大手事務所の支店だらけになって、地方の弁護士会活動が困難になる、との予想も述べられた。ひまわり公設の応募、法テラスの応募も減っているようだ。
一方、東京の大手の事務所は採用が増え、かなりの売り手市場、初任給も上がっているようだ。しかし、いわゆる町弁の状況が好転したとは思えない。渉外・企業法務中心の事務所に就職してもいずれは事務所を出る人が多いはずだが、その弁護士は町弁にならざるを得ないだろう。東京ではさらに弁護士の競争が激化するだろう。
過疎問題と過密問題はうらはらだ。
老兵は消え去るのみか。
ちなみに、松田は河津桜が咲いていて、お土産も桜関係が多かった。
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