これから、相続に関する様々な話をアップしていきたいと思います。
第1回目は、戸籍謄本などについてです。
相続が発生して、銀行等に払い戻しを請求したとき、戸籍謄本類を要求されます。これも、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍、そして、相続人の亡くなった方との関係を示すこれまた連続した現在までの戸籍謄本といったものです。(自分でも、書いてて読んだ方がわかるのか疑問になりました。)要は、相続人が誰かを厳格に確定するということです。
たとえばAさんという人がいるとします。お母さんが亡くなって、Aさんが残され、Aさんは、自分には兄弟姉妹がいないと確信していました。しかし、お母さんが昔結婚して、子供が生まれ(Bさんとします)、離婚し、再婚してAさんが生まれたような場合もありうるのです。
お母さんが結婚した場合、夫の戸籍に入ることが多く、その夫婦に生まれたBさんも、筆頭者が夫の戸籍に入ります。離婚するとお母さんはその戸籍から出て、もとの戸籍に残るか、別の戸籍を作ります。Bさんは夫(父)の戸籍に入ったままです。
普通は、お母さんがBさんを連れて離婚し、親権者になった場合は、家庭裁判所の許可を得て、氏の変更という手続きをしてBさんの姓をお母さんと同じにし、お母さんの戸籍に入れます。
しかし、何かの事情で、離婚してもBさんを連れて行かず、戸籍がそのままだった、お母さんは再婚して、Bさんという子供がいることを、再婚相手との子供Aさんにいわなかった場合、Aさんは、自分にBさんという兄弟姉妹がいることがわからないのです。
別件ですが、お父さんが奥さん以外の女性との関係で生まれた子供を認知していたり、養子縁組をしていたりしても、現在の戸籍にそれは反映されていないこともあります。
日本は本籍地を自由に移せます。また、改製という手続きで、戸籍がときどき書き換えられるということも事情を複雑にします。
このような事情があるので、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍が求められるのです。そして相続人についてもどのような関係か、今も生きているか、ということを明らかにするために連続した戸籍が求められるのです。
この戸籍謄本取り寄せは、手間のかかる作業で、お金もかかります。
戸籍謄本・戸籍全部事項証明書は1通450円、除籍謄本や改製原戸籍謄本は1通750円、郵便で請求する場合は、郵便料金とゆうちょ銀行が発行する小為替を使うので、その発行手数料が1枚100円かかります。
戸籍謄本は、今でこそ電子化され、読みやすいですが、かつての戸籍(除籍)謄本などは、ものすごい達筆だったり、癖のある字だったりで、きわめて読みにくいものが多いです。
戸籍謄本類を用意して、相続関係図を作るというのが相続の第一歩の作業ということができます。