相続よもやま話3

家事事件手続法制定による変化(相続事件)

いろいろ変わったところはあるのですが、実感するのは、調停期日の最初と最後に当事者全員が調停室に集まり、第一回期日の最初は手続きの説明、その後も続行する場合は期日の最後に各当事者の宿題を確認することでしょうか。(当事者間に感情の軋轢が有り、対面しない方が良い場合は例外的に対面しませんが。)課題を当事者双方がいるとことで確認するのは良いことです。

また、従前は、主張書面も証拠書類も、相手に渡らないし、閲覧謄写するのも制限が大きいというのが原則でしたが、新法では、不開示の上申をして裁判所が認めなければ、原則書面、証拠等は、少なくとも閲覧謄写できるのが原則となりました。

きちんとお互いの主張と証拠を明示して手続きをするのはとても良いことだと思います。

そして、これは実益が大きいと思ったのが家事事件手続き法284条の調停に代わる審判です。調停が成立しない場合にも、家庭裁判所が相当と思う場合には、当事者双方のために公平に考慮し、一切の事情を考慮して職権で事件の解決のために必要な審判ができるのです。2週間以内に異議の申し立てがなければ、効力を持ちます。旧法にも調停に代わる審判という制度はありましたが、遺産分割では使えませんでした。担当している事件で、なかなか遺産分割の協議が進ます、困っていたとき、裁判所からこの規定があるというアドバイスを受け、はっとした記憶があります。

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