相続法改正5

これから遺留分について述べていきます。結構大きな改正となっています。1回では到底終わらないので,何回か書きます。

そもそも根本的なしくみが変わりました。改正前は「遺留分減殺請求権」といい、遺留分減殺請求権行使により、遺留分を侵害する遺贈などが、侵害する限度で失効し、権利が復帰するとされました。ところが新法は、「遺留分侵害額請求権」という名称とし、侵害する額の金銭債権が発生するとしたのです。

改正前は例えば不動産があれば、遺留分減殺請求によりそれぞれの不動産に持分に持分が発生することになります。その持分を返せという請求になり、お金を払えという請求とはなりませんでした。請求される側からお金を払うという規定はありましたが。判決になった場合は不動産では全面的な解決のためには共有物分割の裁判が必要な場合もありました。また、不動産が賃貸されていた場合は、遺留分減殺請求後の賃料の清算の問題もありました。共有物分割と賃料精算がなくなったのは大きな改正です。請求される側に有利な改正となったといえるでしょう。(後に述べますが期限の猶予の規定も出来、これも請求される側に有利な規定です)

また遺留分減殺請求は、訴訟になる場合は、減殺請求者が一部遺贈などを受けていた場合に、単純な遺留分割合ではない請求となることとなり計算が複雑で訴訟提起が直ぐに出来ない、あるいは提起しても何回も訴状訂正をする必要があるケースが結構ありました。

改正前は判決になると非常に細かな計算などが必要になることから、裁判官も(判決を書きたくないのではないかと思ったりしますが)和解を強く勧めることが多いです。

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