一昨日、東京地裁立川支部で、裁判員裁判の反省会があった。
私が事務所の若手弁護士と一緒に,強制わいせつ致傷の刑事弁護に当たったもの。国選事件。怪我をさせたので強制わいせつ致傷ということで裁判員裁判になった。
事実認定は被告人にとって,不本意だったが、その事実を前提にすると、刑は軽かった。なお被告人は控訴し,東京高等裁判所で別の弁護人が付くことになっている。
反省会は裁判所の評議室で裁判官3人、検察官2人、そして、我々弁護人2人。多摩支部の刑事弁護委員会から2人傍聴。雰囲気は友好的にすすんだが、こちらも文句も言ったし、細かいこともいろいろ裁判所に言われた。かなりたくさんの論点があった。裁判所もこういうことを議論したいとあらかじめ言ってくれるといいのに。
それから、証拠調べから弁論(最後の弁護人のまとめの主張)までもっと時間がほしい、と言ったら、裁判所は証拠調べ直後の弁論だってある、と言った。事実関係について争いのある事件で、証拠調べの結果の十分な検討が出来ない、とここは譲らなかった。裁判所はじっくり評議できるはずだし、検察官は証人としっかり打ち合わせずみのはず。検察の論告は、証人の証言にそのまま乗っかり、大変な作業とも思えない。弁護人としては検察側の綻びをより分かりやすく展開、説明するには、もう少し余裕がほしい!これは、機械的事務的な作業ではなく、創造的な行為。頭の疲労回復の時間がいる!
弁護人の限界は感じる。検察は組織として経験、ノウハウを蓄積するが、弁護側はそれが困難。だから今回のような傍聴があったり、各種勉強会などがやられているのだが