遺留分減殺請求で感じること

忙しさくてなかなか投稿できませんでした。

さて、最近遺留分減殺請求で強く感じることがあります。

それは、遺言執行者がきちんと報告をしない例がとても多いことです。

条文的にいうと、遺言執行者の就職を相続人その他利害関係人に通知しなければならない、という規定はありません。一方、遺言執行状況及び結果については報告しなければならないという規定が、委任の規定の準用で導き出されます(民法1012条2項→民法645条)。しかし、いろんな条文が準用されている箇所であり、1012条を見ても内容がすぐわかるわけではありません。また、遺言執行者は誰に報告をしなければならないか、はっきりわかりません。全相続人なのか、遺留分がある相続人かなのですが、全相続人にすべきという見解が有力です。

このあたりは立法の不備といえると思います。

ちなみに、遺言執行者がこのような報告をしなかったため損害賠償義務を負ったという判例もあります。

しかし、弁護士でさえ、遺言執行者が報告義務があることを知らない人の方が多い(私の体験ですが)わけで、税理士さん、親族の方などは報告がある方がまれでしょう。

自筆証書遺言は、検認という手続きで遺言の存在を相続人が知ることができます。しかし公正証書遺言は検認の制度がないので、遺言によって登記や預金の引き出しをし、あとはほったらかしとなることもあります。遺留分のある相続人がいつまでも遺留分減殺請求ができないという問題がおきます。ただし、遺言の内容がわからなければ、減殺すべき贈与又は遺贈の存在を知ったことにはなりませんので、1年の時効期間が経過するわけではありません。

遺留分を有する相続人に遺言内容を報告しなければ、感情的な問題に発展することもあるので、注意しましょう。

 

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