遺言は作るべきか

遺 言

●遺言は作るべきでしょうか。  

遺言をしたほうが良いケースは多いです。  ただし、遺言によって相続人間の紛争を拡大するケースも多いものです。  

<良いケース>   事実婚・内縁の場合、子供がいない場合、そもそも相続人がいないとき、相続人と長期間全く行き来がなく、葬儀にも呼ばないような関係の時 、相続人以外に相続財産をあげたいとき(孫、甥姪、お世話になった人、団体等)、財産がたくさんあるとき(ただし、遺言から漏れた財産があると、もめることが有ります)

●遺言でしない方が良いことは何でしょうか

 遺留分を侵害するとトラブルの種になります。法定相続分は、各相続人についてこうすれば公平だろうということで定められ、年月を経て、より公平になるようにと修正されているものです。調整するものとして遺留分があります。

     たしかに、人は財産処分の自由がありますが、子供らを公平に扱えというのもモラルで有り、法律もかなり公平を意識している条項が多いです。一般的に遺留分については権利意識がかなり強まっています。

 遺言の条項が複雑すぎいろいろな解釈の余地があるのもトラブルの種になります。

 付言事項(こういう事情である子供はけしからんから財産を上げない、等)で相続人が傷つけられた、と主張するケースは多いです。

●遺言はいつ作るべきでしょうか。

 事実婚は、今すぐに作るべきです。子供がない場合も早めに作るべきです。夫の急死で妻が大変困ることが有ります。あとは、判断力が低下する前にというのが原則です。加齢により、我慢強さなどがなくなり、適切な判断ができなくなる危険がありますし、特定の相続人や、第三者に圧力をかけられ、不合理な遺言をすることが有ります。   不適切、不合理な遺言は後のトラブルのもとです。

相続人どうしが、遺産をめぐって争うのは悲しいことです。仲が良かった兄弟が相続をきっかけとして絶縁することも時々あります。

●遺言はどの方式が良いでしょうか。  

公正証書遺言はお金がかかるが、無効になりにくい。費用は別紙。  ただし、公正証書遺言も無効判決をとった例があります。公証人の本人の意思確認は家裁調査官より甘いことが多いです。(事実として言えるが、守秘義務により詳細は話せません)  自筆証書遺言は、全文、日付、署名を自署し捺印が必要。  簡単でお金がかからないが、無効になりやすい。保管も問題。  複雑な遺言で内容の理解ができない、自署していない、署名が本人のものでない、日付がない、印鑑がない。  捺印がないとのことで遺言無効判決をとったこと有り。   署名が本人のものでないと争っている事案有り(現在進行形)  日付は年月では足りない。日まで。しかし、何年の誕生日というような書き方は救済される余地有り。

●遺言の中身は相続人に知らせておくべきでしょうか。

  いつもいっていたことと違う、と親族が争うことも有ります。どういう遺言をするかわからないと相続人に親の介護などを競わせる、という考えもありますが。   ケースバイケースですが、言った方が良いような気がします。

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